私たちの身の周りにある卓越した製品は、偶然の産物ではありません。多くの場合、それは繊細で熟達した技術によって生まれるものです。ARGON 18は製品の開発に徹底的なリサーチを行いますが、その手法は最先端技術を駆使することはもちろん、経験で得た知識と技術も重要視しています。結果として生まれてくる製品は、工業製品であってもひとの情感に訴えかけ五感を刺激するもので、手にした者には熱い血潮がたぎるでしょう。

製品が語りかけてくるような様は全身を使うスポーツサイクリングにとってアドバンテージであり、ARGON 18というブランド名からイメージするよりも、遥かに饒舌であることに驚くはずです。ARGON 18は開発陣のたゆまぬ努力によって、必然の産物として誕生した卓越した製品です。この項では、ARGON 18独自の主なテクノロジーを紹介します。

Optimal Balance ~完璧にバランスのとれたバイク~

ARGON 18のバイクを語る上で“Optimal Balance”は重要なキーワードです。それはARGON 18の製品づくりの概念であり、彼らが作り出すバイクには「軽量」「高剛性」「快適性」「エアロダイナミクス」の要素が最適にバランスされています。ARGON 18はこれを “Optimal Balance”と呼び、あらゆる環境でライダーのバイクコントロールを容易とし、不快な疲労感を極限まで抑えることにより、満足度の高いフィーリングを提供します。

Optimal Balance”は四つの項目を最適にバランスさせるシンプルなアイデアですが、まさにこれが彼らの25年に亘る研究開発の賜物であり、また、これがARGON 18をハイエンドバイクの世界的リーダーとして、その評価をゆるぎないものにしていると言っても過言ではありません。

Horizontal Dual System【HDS】 ~パワーゾーンとコンフォートゾーン~

HDSを採用することで、ARGON 18は剛性と快適性という相反する2つの要素を融合することに成功しました。基本的な考え方はシンプルで、フレームチューブはそれぞれ特定の目的のために設計されているということです。ARGON 18の考え方はフレームを斜めの線で2つのゾーンに分けています。それぞれの役割分担は下記の通りです。

  1. フレームの下部はパワーゾーンで、剛性を高めるために、特にBBを中心により多くのカーボン繊維を用いています。これにより、他とは比べ物にならない正確なパワー伝達とレスポンスの良さがもたらされます。
  2. フレームの上部はコンフォートゾーンで、適度に柔軟なカーボン繊維を用いて衝撃吸収を高め、あらゆる路面で最大の快適性を実現します。

ARGON Fit System【AFS】 ~あらゆるライダーに合わせたジオメトリー~

ARGON 18独自のジオメトリーは、ジェルベー・リューのプロフェッショナルライダーやショップオーナーとして得た、豊富な経験を通して蓄積された幅広い研究開発に裏打ちされています。AFSは、あらゆる体格のライダーに、人間工学に基づく安定したパフォーマンスの提供を約束します。また、体型やレーシングスタイルに左右されることなく、常に効果的かつ快適なポジションで、最高のハンドリングを可能にします。次項ではARGON 18が考えるポジションとジオメトリーについて解説します。

ポジショニングとジオメトリー

ARGON 18では、フレームを8つのセクションに分割し、各セクションに特定の役割を与える設計を行っています。フレームサイズが大きくなれば、各セクションの長さも変わります。これがバランスの良いバイクのプロポーションを確保し、サイズを問わず全てのフレームが理想的なエルゴノミクスと完璧なハンドリングを可能にするのです。

1.セットバック

トップチューブのこのセクションは、サドルの位置を調節するために重要です。セットバックはライダーのポジションを決めるために極めて重要な指標であり、シートチューブの角度によって決定される要素が大きくなります。ARGON 18は理想的な調整が可能になるようなシートチューブ角を選択しています。

2.リーチ

リーチはバイクの効果的な長さを左右し、ライダーにとって快適で理想的なポジションを見つけるための鍵となります。

3.スタック

スタックとは、ボトムブラケットからヘッドチューブ上面までの垂直距離を指します。ライダーのポジション、そして同様に快適性を左右する鍵となります。

4.シートポスト角

シートポストの角度は、ライダーのポジションを決めるだけでなく、エアロダイナミクスや前傾姿勢での力学を最大化するためのポイントです。つまり適切なシートポスト角をもったバイクにより、ライダーは理想的なシート高や前後位置を選択し、上半身の正しい位置を見つけることができるのです。

5.チェーンステイ/リアトライアングル

理想的なチェーンステイの長さは求められるハンドリング特性により変わります。後三角のチェーンステイが短いほどハンドリングはクイックになり、早く走るためには逆に長さが必要です。ARGON 18のバイクは高い速度で走っても安定且つハンドリングも極めて良好です。

6.ホイールベース

フロントセンター長は、バイクのハンドリングやステアリングの特性を大きく左右します。不釣り合いに短いフレームは、過敏で予期せぬ挙動を起こし、意図したラインから外れがちになります。反対に長すぎる前三角はハンドリング性能を落とすことになります。ARGON 18のバイクは完璧にバランスの取れたホイールベースの設計がなされています。

7.フォーク角

フォーク角はヘッドチューブの角度と地面(水平面)によって形成されます。この角度が小さいほど、バイクは素早く曲がり、登りでのスピードは上がります。この角度が大きい場合、曲がるのは難しくなり登りが遅くなる一方で、高速での安定性が増すという利点もあります。

8.レーキ

レーキ、すなわちフォークのオフセットは、ステアリングコラムと前輪中心部の垂直距離です。一般的にこの距離は40mmから55mmです。

以上、ARGON 18の考えるポジショニングとジオメトリーをご紹介しましたが、このうえでライダー個々の最適なポジションを決定づけるARGON 18のコア・テクノロジーが3Dシステムです。

3Dシステム ~ハンドリングと剛性の完璧な組み合わせ~

ARGON 18独自の3Dシステムは、ヘッドチューブを延長し、より多くのポジショニングを可能にする巧みなソリューションです。全てのフレームサイズで、3つの異なったヘッドチューブのポジションを可能にし、従来のスペーサーと比較して15mm5%、25mm11%の剛性アップを可能にARGON 18自慢のシステムです。3Dシステムにより、あらゆるライダーに合わせたハンドルバーの高さ調整が可能となり、小柄なライダーや女性ライダーも無理のないポジションが可能となります。

画像はKRYPTON GF/CS

3Dヘッドシステムはコラムスペーサーを使わずにポジションを調整することができるARGON 18のコアテクノロジーです。アッパーベアリングの位置をステム/ハンドルに近づけることができます。ヘッド周りの剛性を確保して最適なハンドリングを達成します。またハンドルポジションを無理なく下げられるなど、フレームサイズによるフィッティングの幅を広げることができます。

例えばフレームサイズに対してアップライトなポジションを望む場合、従来はコラムスペーサーを使用していたところ、ARGON 183Dシステムを使えばヘッド周りの剛性を損なうことがありません。ポジションを変えるためのエクステンダー上部にアッパーベアリングが挿入されているためで、エクステンダー上端とステム/ハンドルを近づけることができます。一般的なコラムスペーサーと比較して15mm5%、25mm11%の剛性アップを実現しています。

ARGON 18独自の3Dヘッドチューブスペーサー長は、モデル毎に異なるサイズを用意しております。